ジュネーブ ビジネスサポーター 佐多 直彦
世界の先進国で唯一の黒字国ともいえるスイスは、外国の中でもメジャー誘致には以前から特に力を入れてきました。その中でも最近特にこれを積極的に行っているのが、レマン湖畔、ローザンヌのあるヴォー州とジュネーブ州です。主な企業をざっと拾い上げますと、(注:右欄の数字は社員数) | 1、 PROCTER & GAMBLE(消費財) | 2,890 | 2 、HSBC BANK | 1,543 |
| 3 、MERCK SERONO(製薬) | 1,380 | 4、BNP PARIBAS BANK | 1,351 |
| 5、JAPAN TOBACCO | 700 | 6、CARGILL (貿易) | 661 |
| 7、DUPONT (化学) | 644 | 8、CREDIT AGRICOLE | 640 |
| 9、JP MORGAN BANK | 592 | 10、HP (エレクトロニクス) | 540 |
| 11、CATERPILLER(建機) | 439 | | |
日本企業では、これにKAO, NISSAN, TOYOTAなどが続きます。問題は、幾ら欧州で唯一好調、といっても、スイスの場合はギリシャを始めとするデフォルト問題に喘ぐEUへの依存度が極めて高く、不況の足音はすぐそこまで来ており、増加一途の失業、徹底的住宅難、他方、これらメジャーに限られる世界でも有数の税制優遇措置 などに対する国民の不満は急増しており、たまたまスイスは10月が四年に一度の総選挙月でもあり、ジュネーブだけを取っても、931企業、都合従業員数7万、という規模が一般国民に与える不満度は特に高く、ここでこれらメジヤーに対する優遇システムを根本的に見直すべき、との議論が高まっています。
具体的には、一般法人税24.3%に対し、メジャーの場合は現状11.6%、他国では、これに近いのがアイルランドの12.5%であることから、差し当たって税の一律化を15%前後で 実現せよとの論議が現実性を持ちつつあります。
<ハイテク情報> ◆ スイスには、思わぬところに予想外のハイテク技術が誕生するケースが多いですが、マッターホルンで有名なヴァレー州の首都MARTIGNY技術専門学校で、KEYLEMONというスタートアップ企業がパソコン業界で話題を呼んでいます。http://www.keylemon.com/ これは要するに顔面認識ソフトで、従来のパソコン・ログインのコンセプトを根本的に変えるものであり、携帯電話にも応用されることになること、間違いありません。同社は元々Banana Securityというこれまたファンシーな名前で、顔相及び音声認識ソフトを提供して有名になりましたが、結果としてあまり商売にならず、改めてパソコン・テレビ・携帯端末用のソフト開発会社として、前記の名前で再登録したもの。個人でも20ドルを払えば、このソフトは簡単にダウンロードできるとか。創立者Mr.Gilles Floryは、かつてSAMSUNG 欧州に勤務したこともあり、アジアでは韓国を最初のターゲットに見立て、既に現地訪問しています。
◆ ローザンヌのスタートアップ企業POKEN http://www.poken.com/#poken-info は、個人・企業データを非常に簡単なチップ内臓端末によって、広範囲な地域でデータ交換を可能にするソフトを開発、米国の病院の6割と取引関係にある大手医療情報管理会社 STANDARD REGISTERがいち早くこれに注目し、米国全域で採用することとなりました。これを使用すれば、たとえば国際会議で配布される資料の山を集めるかわりに、自分の探す資料に該当するタッグ(シール)にこの端末を当てるだけで、PDFフォームの資料を受け取ることが可能になるとか。
◆ スイスは小国にも関わらず、軍需産業部門では過去、ミサイル・武器・特種車両・飛行機の分野で世界的なレベルの製品を生んできましたが、政府の厳しい輸出規制により、殆どの私企業は身売り・ライセンス供与などの形で姿を消すこととなりました。残った技術は、RUAGというスイス国防省傘下の企業に集約されましたが、この一部門、元MECANEX http://www.mecanex.ch/ という名前で知られたジュネーブ近郊の部門で、次世代の無線通信システムIRRIDIUM用衛星の駆動エンジンと、太陽エネルギー回収パネルのインターフェイス用回転機構を受け持つこととなりました。 スイスは元々、ミニモーター、マイクロモーターの世界でも、日本と並ぶ世界に誇る諸技術を持っていますが、この伝統がMECANEXを生む要因となりました。 |
TrackBack (0) | by sansinko
ボットからトラックバックURLを保護しています
ハノイ ビジネスサポーター 中川 良一
ベトナムの政府は、政府決定番号 1483/QD-TTg 2011年08月26日により、政府が支援優遇する産業に関するリストを発表しました。この決定により自動車部品関連産業への投資が優遇されることになり、ベトナム国内企業および外国企業共に大きなチャンスが開かれました。
この決定によると、自動車製造・組立に関連する15種類のサポート部品の製造促進について優先権が与えられ、その内訳はエンジンとエンジン部品、潤滑システム、冷却システム、燃料供給システム、フレーム - ボディ - ドア、サスペンション、ホイール、トランスミッション、ドライブシャフト、ブレーキシステム、電気・電子部品、照明システムと各種シグナル、自動車排気処理システム、自動車用ゴム部品と、制振材、プラスチック部品となっています。
ベトナム政府は当分野に投資をするベトナム国内・外国組織および個人のために、製品の市場開拓とインフラ整備および科学技術促進、人材トレーニング、資金調達に関する支援等を行うことになっています。現在ベトナムの自動車部品分野での国内調達率は依然として低く、多くの部品がタイ、中国、日本などから輸入されており、自動車産業の輸出競争力に影響を与える他、将来ベトナムの貿易収支にも大きな影響を与えることが懸念され、今回政府主導で同部品産業の育成を促進することを明確に意思表示したものと思われます。
ベトナム商工業省の産業政策戦略研究所によると、2009年時点での自動車関連企業は397社であり、その52.7%である210社が自動車関連部品を製造しています。しかしその生産分野はまだ限られており、毎年スペアパーツおよび部品等が20億USドル近く輸入されています。
次にベトナムからの自動車部品輸出については、主に外国企業中心に製品が輸出されています。当該輸出製品は、ベトナム国内に販売されることはなく、他国の部品流通チェーンに輸出されており、ベトナム国内に販売されることはありません。2010年の自動車部品輸出額は15億7,400万USドルとなっています。
ベトナム商工業省・産業政策戦略研究所によると、今後の自動車普及率は15台/1000人から2015年までには50台/1000人となり、特に9人乗り以下の一般乗用車が急速に伸びることが予測されています。
最近私が勤務するハノイ投資支援センターにも、日本での従業員数が50名以下の自動車関連中小企業メーカー様よりの問い合わせが増えており、今後ベトナム政府の優先政策により投資が増加して行くことが期待されています。 ベトナムの自動車部品輸入 (単位:百万USドル)
| 輸出 | 2005 | 2008 | 2009 | 2010 |
| 金額 | % | 金額 | % | 金額 | % | 金額 | % |
| 日本 | 228.93 | 29.09 | 541.56 | 29.79 | 394.75 | 22.61 | 399.83 | 20.69 |
| タイ | 84.96 | 10.80 | 316.51 | 17.41 | 405.95 | 23.25 | 425.18 | 22.00 |
| 韓国 | 128.00 | 16.26 | 223.46 | 12.29 | 287.46 | 16.46 | 341.55 | 17.67 |
| 中国 | 89.29 | 11.35 | 339.85 | 18.69 | 314.35 | 18.00 | 285.07 | 14.75 |
| オランダ | - | - | 10.25 | 0.56 | 56.46 | 3.23 | 97.70 | 5.05 |
| インドネシア | 30.45 | 3.87 | 154.67 | 8.51 | 85.65 | 4.9 | 95.96 | 4.96 |
| ドイツ | 15.23 | 1.94 | 37.04 | 2.04 | 49.52 | 2.84 | 65.86 | 3.41 |
| フィリピン | 24.18 | 3.07 | 42.96 | 2.36 | 41.60 | 2.38 | 51.78 | 2.68 |
| その他 | 185.98 | 23.63 | 151.60 | | 509.30 | | 169.95 | |
| 合計 | 787.02 | | 1,817.9 | | 1,746.19 | | 1,932.87 | |
(ソース:商工業省・産業政策戦略研究所)
TrackBack (0) | by sansinko
ボットからトラックバックURLを保護しています
ニューヨーク ビジネスサーター 今泉 江利子
このところ、明るいニュースが少ないですが、子供のときに夢見た世界が実現しつつあるという話をお伝えします。
ニューヨークタイムズ紙11月14日付けの「グーグル研究所のワイルドな夢」として掲載された記事によると、「宇宙まで通じるエレベーター」、「無人で走る自動車(これはすでに実現済みだが、米自動車会社が協力をためらっているのでグーグル独自で生産するかどうか論議されている)」、「人間の代わりに会社で仕事をしてくれるロボット(自分がその場にいなくてもロボットを通じて人と話ができたり周囲を見ることができる)」、「ウェブ化されたモノ(電気、冷蔵庫、植物の水遣りなどすべてウェブとつながっているので、暗くなれば自然と電気がつき、冷蔵庫の中の食物が少なくなればネットに注文が行く。またすべての情報がネットに集められるので遠隔操作できる)」など、100に上る夢のテクノロジーが、人工知能、神経科学、ロボット技術などの米国トップ科学者の下で真剣に研究されているそうです。
ただ、この研究所はグーグル社員にさえどこにあるか知らされておらず、CIAもどきの活動が繰り広げられているそうですが、興味を引いたのはこの記事に対する読者からのブログへの投稿でした。50件以上の「こんなテクノロジーが実現したら」が投稿されていますが、10人以上から“賛成”を集めているのは、「スーツケース大の電池で1000マイル走る車」、「多様なクリーンエネルギー、安く入れる健康保険、安価な高等教育」(一見グーグルとは関係なさそうなアイデアも)、「もっと高性能で安価なソーラーパネル。そうしたら電力発電所が必要なくなる」など。その一方で、「必要なのはモノではなくて、多くの人が幸せになるように考えること」と反論し、グーグルのテクノロジー志向に「もう飽き飽きした」と書き込む人数が上昇しています。
ハイテクに入れ込みすぎたアメリカと、それに疲れて自然回帰を望む人が交錯していることを示しているように思えました。
TrackBack (0) | by sansinko
ボットからトラックバックURLを保護しています
モスクワ ビジネスサーター 岩本 茂
連日ギリシャ、イタリアを中心とする欧州の金融危機が話題となる最近の情勢ですが、ロシアの経済は至って好調です。
自動車の売れ行きも順調に伸びているようで、今年の自動車の販売台数は260万台になる見込みとのことです。また輸入車の台数も1.5倍ぐらいに伸びつつあり、必ずしも純国産車の売れ行きが好調であるとはいえないようですが。
人口1600万人といわれるモスクワ周辺の渋滞は相変わらずで、特に冬は自動車通勤がピークになることもあり、毎朝郊外から通勤する車の渋滞はひどくなるばかりです。このような状態にもかかわらず更に車が売れることが不思議でなりません。郊外から都心に向かう大渋滞をみると、1時間半以上かけてでも車で通勤する人が多いわけでロシアの人々の忍耐力には感服するばかりです。
これらの人たちは朝、まだ暗いうちから出勤をすることになるのでしょうが、今年の冬は更に暗いうちから自宅を出なければなりません。というのは、ロシアは今年から夏時間のまま冬を過ごすことが決定され、しかもこれは当分続けると宣言されているからです。
夏時間、冬時間へのそれぞれの切り替えには、莫大な経費が発生するため、経費節減のためとの理由のようですが、多くのロシア人は、おそらく長年習慣となっている冬時間へ切り替えが突然無くなったことで、身体に変調をきたしつつあるように思えてなりません。起床の時間になっても、外はまだ真っ暗闇で、筆者も生活の調子が狂ってしまい慢性的寝不足状態となってしまいました。
ロシアが冬時間とならないことで、冬時間に移行した欧州主要国との時差も3時間に広がり、仕事のやり取りも含め、戸惑うことが多くなっています。ましてやロシアの東の地方は、登下校時間等生活パターンのリズムが更に狂うとして、今年の早い段階から抗議活動が続いたことは大きなニュースとなっていました。大統領も暗いうちから起き出すパターンにそろそろ後悔しているのではないでしょうか。
ロシアはようやくWTO加盟が来年夏となることが確定し、投資を呼び込む環境が準備されていくものと思われます。
他方で、最近はボリショイ劇場の大改修も終わったばかりですが(写真)、目の玉が飛び出るような高額な入場料(5万円―6万円相当)でも満員となる状況は、バブルの再来の感を呈しつつあるように思えます。今こそ地道な物づくり産業発展のチャンスであると思うのですが、果たしてロシアはこのままバブルの再来に突入し、それどころではなくなるのでしょうか?
TrackBack (0) | by sansinko
ボットからトラックバックURLを保護しています
ホーチミン ビジネスサポーター レ・ティ・タン・ビン 11月
21日、日本の
ODAにより、サイゴン川を横切りホーチミン市の1区と2区を結ぶトゥ・ティエム(
Thu Thiem)トンネルが正式に開通し、これによりホーチミン市の東西道路全線21.89kmが開通しました。建設期間7年のトゥ・ティエムトンネルは、東南アジアで一番長い、全長1.5kmのトンネルです。
このプロジェクトの完成は、ホーチミン市にとって大きな意義があります。東西道路の開通により、ホーチミン市と東側、南側の移動時間が短縮されます。また、この新しい道は、これまで通行量の多さにより負担の大きかったサイゴン橋への負荷軽減にもつながります。
このプロジェクトの実現にあたり、過去最大の約7,000世帯が立ち退きました。 事業により運河の両岸における環境も改善されました。2車線の狭い道路が、現在8〜14車線に大きく広がるとともに多くの新しい橋が出来、ホーチミン中心街の環境美化にもつながりました。
トンネル完成に伴い、これまで100年近く利用されてきたトゥ・ティエム・フェリーも最後のフェリーを送り出しました。これからは、ホーチミン市東側の都市開発が進んでいくものと思われます。
現在、ホーチミン市では日本のODAを受け、地下鉄第1号線の建設プロジェクトが展開されており、2014年完成の予定です。

TrackBack (0) | by sansinko
ボットからトラックバックURLを保護しています
大連 ビジネスサポーター 劉 瑛
10月28〜29日2日間で大連中日展示会が開催されました。2008年開催以来、4回目になります。361ブースのうち、70%が日本37の都道府県からの出展で、工業機械、農水産品、日常生活用品の展示以外に、観光などのPRブースもありました。
去年のマグロ解体ショーや作り立ての餡子ケーキなどで賑わいましたが、今年は食品輸入の制限などの影響からか、食品の展示は、加工品がメインです。つまみ系のイカなどの既製品もあれば、日本酒、ヨーグルト酒、ジュース、稲庭うどんなどがありました。ナマコもありましたが、日本の港で引き渡す事を条件とされ、中国での通関などは中国側に任せることが通常です。食品よりは、洗剤、基礎化粧品、スカーフ、陶磁器、かわいい小物(ディズニーランドのコップ、バッグなど)、ハイテク製品(鉱物を繊維にして作った特別機能の下着、美容用家庭型電気製品など)が多いです。地震の被害県である宮城と岩手も各10社以上の企業が参加し、潜水服の中国市場進出の為の市場調査や、工業製品が主です。個人的には、布のソファー、椅子用のドライ洗濯剤や新発売のポン酢ジュレなど、中国には無く、日常に必要されるもの、または機能性に優れているものが売れるのではないかと思います。
バイヤーとして商談に来た某氏にヒアリングしたところ、これからは、中国市場がメインのマーケットとなる可能性が高いかもしれませんが、日本企業(特に中小企業の場合)は中国に代理店がなく、中国での卸価額、小売単価なども計算できないという、実質、基本的な商談ができない状態です。例えば、台湾商品なら、代理店と手を込み、バイヤーに卸し価額をその場で提示し、納期、支払条件なども全部明確にして、条件が整い次第、その翌日からでも物を供給できるように準備を整えているに対し、日本企業が中国市場を本気にやるには、もっと工夫が必要であるとのコメントでした。
中小企業1社独自で中国市場開拓は少し体力的に無理でしょう。例えば、何社かユーザーが似ている会社が力をあわせて頑張っていく方法が必要でしょう。
TrackBack (0) | by sansinko
ボットからトラックバックURLを保護しています
重慶 ビジネスサポーター 吉川 孝子
2011年11月10日から3日間、重慶国際食品博覧会が南坪のコンべンションセンター(25000平米の会場)で開催されました。
中国、タイ、ベトナム、韓国、日本、台湾、欧州のブースが設けられ、活気に満ちたバイヤー達との交渉があちらこちらで見受けられました。一般人も購入する事ができる為、会場は来場者で混雑していました。
この近年、重慶の庶民の食文化も変化しつつあり、両手一杯にぶらさげている袋には、中国食品でなく、諸外国の食品を買い求めている姿が多く見受けられました。白酒(注1)ではなく、ワインや日本酒、健康飲料に、海草や小魚と言った具合です。
しかし、これらの食材を頻繁に食する事の出来る人達は富裕層と言えるでしょう。食文化の変化によって子供達の成長への影響も変化して来るのが常であると言われておりますが、先日、市委書記の薄熙来氏によって、重慶で[赤い青春体験](注2)をテーマにした社会活動[三進三同](注3)が商務部の青年幹部に対して行われました。一人っ子政策時代の若者が官僚幹部となり、行政を牛耳るにはあまりに社会認識が希薄である為、農村で寝食を共にする刻苦鍛錬研修が行われました。
農作業を行い、農民と同じ食事を摂る事によって、農村と農民の状況を把握出来、知力、労識、堅忍不抜な精神、いかなる環境においても冷静な判断が出来る人間が形成されるとの事。
彼達に、3日間農村で出された食事が、今迄口にした事のないご馳走であると言う若者達に、経済大国になった(特に重慶は)、この1,2年で凄まじい発展、開発が行われ増々貧富の差が拡大している中で、農村の日常を知らずして政治は出来ないであろう事を示唆していました。
日本(外資)企業が中国に進出する場合、国情を知らなければ成長しないと言われておりますが、中国自身も一人っ子政策時代の若者が国情を知らなさ過ぎる時代になって来ているように思われます。年末が近づくにつれ、街のデパートではカード片手にショッピングに目を輝かせている若者で活気づいております。
注1:中国の穀物を原料とする蒸留酒
注2:共産党の赤、若者官僚の体験
注3:3日間同僚と農村で寝食を共にして自己啓発を行うこと
TrackBack (0) | by sansinko
ボットからトラックバックURLを保護しています
台北 ビジネスサポーター 皆川 榮治
行政院(内閣にあたる)労働委員会(厚労省)は11月1日、無給休暇を申請する会社が12社2801人にのぼると発表し、続いて11月16日、同制度を申請する企業が48社にのぼっていると発表しました。特にITサイエンスパークの企業が多く、太陽エネルギーや液晶関係企業、LED業界等が主で、すでに給与のない休暇に入ることを求められている従業員は5021人に達しており、そのうち16社121人はすでに解雇手当を受け取って退職する者も出ていますが、今後の産業動向次第ではまだまだこのような状況が増加する可能性が予想されます。
台湾のリーディング産業とも言うべきIT関連業界が、この様に早々と生産調整を行い、労働時間の調整を始めた背景には、アメリカの景気停滞による受注減や受注取消しが直接のきっかけですが、間接的には、ヨーロッパの経済危機及び不動産価格の急落に見られる中国市場の停滞など世界的景気停滞を敏感に感じとった台湾企業の早い対応が窺がえます。 行政院の呉敦義院長(首相に当る)は早速声明を出し、「産業界の無給休暇申請を受け、内閣の総力を挙げて、中長期対応策を策定する」と発表していますが、台湾の産業界は今や、停滞への対応を敏感に開始し始めています。 無給休暇と言う名称は、台湾の法律にはなく、労働基準法にもその規定はありません。2008年のリーマンショック時に、企業経営者が最初に行った方策で、経済不況に対応して、各企業経営者がいち早く労働者側と協議し、合意を取り付けた上労働委員会に申請したのが始まりです。労働基準法には規定がなくとも、労使が合意しているなら労働委員会も認めるとの判断です。
レイオフなど、人員削減するよりは良い、との労使双方の考え方の上に成立した方策だと言えます。 日系大手半導体装置メーカーN社の人事担当役員のお話では、目下サイエンスパーク内でも、中規模以下の企業に無給休暇取得が進行中で、大手では、UMC(聯華電子)社が強制有給休暇取得を始め、AUO(友達光電)社が役員給与カット及び来年度設備投資の縮小を公表しており、順次景気対策が拡がる可能性があるとしています。また、無給休暇取得と言っても全従業員が対象ではなく、非正規社員や成績不良者(人事評価の低い従業員)から順に適用し、良い人材は残そうとするなど、経営者の極めて合理的な考え方が底流に流れていると言えそうです。
TrackBack (0) | by sansinko
ボットからトラックバックURLを保護しています
広島上海事務所長 川田 真理子
日本にはない税形態ですが、中国ビジネスに携わる方であれば、よく耳にするはずの増値税に関する話題をご紹介します。
増値税とは、中国における物品・サービスの販売の付加価値に課せられる国税で、税率は17%(一部品目は13%)とされており、日本の消費税に類似しています。増値税による中国の税収は60%を占めており、最大の税収源です。この増値税の適用対象、計算方法、還付を巡っては、非常に複雑であり、企業泣かせの税金です。
とりわけ、問題となっていたのは、増値税と営業税の二重課税問題です。1994年の流通税改革で、それ以前に外商投資企業に適用されていた工商統一税が廃止され、新たに増値税、営業税、消費税(日本の消費税とは異なり、タバコや酒に課せられる流通税に類似)という体系に改められたのですが、営業税を納付する企業は仕入れコストを控除することができず、増値税と営業税の二重課税状態となっていました。たとえば、交通運輸業者については増値税の納付が認められていなかったため、二重課税者となっていたのです。
前述の通り、増値税は国税、一方、営業税は一般的に、75%が国税で、25%が地方税として納付されるため、上記のような二重課税問題の解決として、増値税の適用対象を拡大することは、地方の財源を圧迫することにつながります。このような背景もあり、増値税改革が進められにくかったのですが、10月26日の国務院常務会議で、増値税の制度改革に関する試行政策が発表されました。その主な内容は以下の通りです。
■試行地域:上海
■増値税の適用対象の拡大(営業税から増値税への移行)
・交通運輸業や一部のサービス業について増値税発票(領収書)の発行が可能となる。
・従来、営業税として納税されていた金額は、税目が増値税(国税)にかわるものの、上海の税収として納められる。
・移行後も営業税の優遇措置は継続される。
■従来の増値税税率である17%及び13%に加え、新たに11%及び6%の税率を導入
この試みにより、二重課税問題による税負担の不公平性や矛盾が改善されることが期待されます。また、増値税の適用範囲が拡大され、納税における控除額も拡大することから、構造的減税にもなります。とりわけ物流サービス業は非常に大きな恩恵を受けることが確実でしょう。
TrackBack (0) | by sansinko
ボットからトラックバックURLを保護しています
ニューデリー ビジネスサポーター 高野 一弘
最近日本では、TPP(環太平洋経済協定:注1)への参加ということが、新聞、テレビなどで頻繁に議論されるようになり、自由貿易協定などへの関心が高くなっています。TPPという枠組みでは、話題に上らないインドですが、他方の枠組みであるASEANプラス(注2)では、重要な役割を求められています。TPPではアメリカが自国の主張を強くするであろうといわれていますが、ASEANプラスの枠組みでは、中国が自国の論理を強く主張してくるであろうといわれております。ASEANプラスの枠組みでは、是非インドを入れていただいて、ASEANプラス6という枠組みとし、「日本+インド」対「中国」という形で、議論をリードしてもらったらいいのではないかと個人的には感じています。
さて、ご存知の通り、インドでは、マルチブランド(注3)の「小売」業には、外資法人の参入が認められておりませんでした。いつこの小売分野が開放されるのかという点は、海外のビッグプレーヤーの関心の的であり、常に新聞紙上をにぎわしておりましたが、ついに内閣が小売の開放を決定しました。この後、州政府などの承認を受けることが必要であるとはいえ、インドにとっては非常に大きな決断であると考えます。
インド12億人の小売市場が外資に開放されることのインパクトは甚大であり、最近外国からの直接投資に陰りが見え始めていたインド市場への関心を高めるためのカンフル剤になることは間違いないと思います。外国直接投資の増大を通じて、インド経済の発展のスピードが加速していくと思います。
注1:加盟国間での関税や、政府調達、知的財産権、労働規制、金融、医療サービスなどにおける非関税障壁を原則的に100パーセント撤廃しようという枠組み。
注2:ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟の10か国に、日本・中国・韓国を加えたASEANプラス3や、さらにインド・オーストラリア・ニュージーランドを加えたASEANプラス6という枠組みで、首脳会議等が開催されている。 注3:デパート・スーパー・コンビニなど多数のメーカーの商品を販売する小売業態のこと。これまで外国企業には、現地資本と合弁による、自社ブランド商品だけを扱う直営店(いわるゆ「シングルブランド」)の設立・運営のみが認められていた。
TrackBack (0) | by sansinko
ボットからトラックバックURLを保護しています
863件中(1件〜10件を表示しています)
前
|
次